スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【TTSS】お題:無題 

+++++

聞いてはいけない話を聞いてしまった時。
見てはいけないものを見てしまった時。
世界は簡単に崩れてしまうものなのだと身をもって知った。
周囲にいる全ての人々を恐れるようになり、味方など存在しないのだ。そう、知らされた。
だからこそ、少年は一人の青年を頼った。
もし彼にも見放されていたのだとしたら、もう生きている理由など存在しなくなる。
そう思ってリスクの高い二分の一の賭けに出た。

「悪いけど人買いはやってないよ」
低い女の声が物騒な言葉を紡いでいた。歩み寄ろうとして出した片足をそのままの形でぴたりと止め、ギシギシと音が鳴りそうな程強ばった視線を声のする方へと向ける。
少し段差のある空間に置かれた低い机を間に挟み、青年と見知らぬ女が対峙していた。女は床に直に座り、段差があるとはいえ立ったままの長身の青年の頭は女のそれよりも随分と上にあった。
女の視線がちらりと少年に向けられ、睨め付けるような視線に少年の身体はビクリと震えた。
「あんな小綺麗な子、うちなんかよりもっとイイ値で買ってくれるとこあんだろ?紹介先でも聞きに来た?それとも、うちへの献上品かい」
舐め回すようにじっとりと視線が絡みつき、少年は居心地の悪さに視線を部屋の隅へと逸らす。その視界に奇妙な動物の足のようなものが入り込み、纏わり付く香りも相まって吐き気が込み上げてくる。
少年の表情に気付いたのか、女の堪えるような笑い声が聞こえてきた。
「知りたいことがある」
聞こえた低い声は、女のものではなく聞き慣れたものだった。
女の言葉も笑い声も全て無視し、少年の様子すら気に掛けず、しばらく黙り込んでいた青年は変わらない表情のままで自らの用件のみを伝える。
「この国の、軍のことについて」
少年が息を飲むのと、女の笑い声が止まり視線が少しだけ鋭くなるのとは、ほぼ同時だった。
しかし女が言葉の意図を即座に理解する反面、少年にはその質問の意味と重大性が分かっていなかった。
数秒、女は青年を睨むように見上げ。
そして困ったように溜息を吐いてみせる。本当に、本当に面倒臭い。そういった顔で。
「それなりの代金はいるよ。分かってるんだろうけどさ。それに」
青年から視線を外し、少年を一瞥。次に青年へ視線が戻ってきた時には、呆れた笑いが込められていた。
「口止め料もしっかり頂くからね」
「分かってる」
青年の言葉はそっけないものだったが、その声音を聞いて、今の所この女は敵ではないのだと、少年はそう思った。


+++++



15分。
昨日の続き。
書き終わってから黒誕なSS書けば良かったんじゃね…?って気付いた(…

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://saule495.blog82.fc2.com/tb.php/1575-4862be16
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。