【TTSS】お題:喧嘩 

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ものすごい勢いで地面が目の前に迫り、そして一瞬世界が暗転した。
昔から散々、喧嘩の時に目を閉じるなと言われ続けた(そして殴られ続けた)結果、この日も少年は目を閉じることなく頭から地面に激突した。幸い意識は飛ばなかったものの、身を起こし視界が広がった後にもチカチカと眩い星が瞬いているような錯覚を覚えた。
「見事に吹っ飛ぶなぁ、お前」
ケラケラと笑う姿に、少年はあからさまにイラッとした表情を向ける。しかし頭を揺らした所為で衝撃の残滓が再び顔を出す。視界が大きく揺れ、少年の身体は数秒前と同じようにドサリと倒れ込んだ。
じんじんと深く響く痛みが思考回路を鈍らせる。少年は今度は起き上がることも考えられずに、浅い呼吸を繰り返しながら空を見上げていた。そうすることしかできなかった。
「情けねえ…なっと」
「うっ」
そんな少年の耳にとある声が聞こえたその次の瞬間には、声とも言葉とも言えぬくぐもった音が少年の喉、または腹の奥から吐き出された。鈍い衝撃が少年の腹部を襲い、呼吸は数秒止まっていた。
両手で腹部を押さえ身を捩りながら痛みを堪える少年に、その痛みの原因の声が降ってくる。
「そんなんじゃすぐ死ぬよ」
太陽を背にした姿は、霞む視界の中でも笑っているのが分かった。ただそれは、単に楽しんでいるだけといった意味のものではないような気がした。
少年が苛立ちと悔しさとそして涙をも浮かべた目で相手を睨んでいると、より一層笑い声が大きくなる。
「ま、そういう所、嫌いじゃねえけどな」
ニカッと歯を見せて笑った姿がそのまま少年の脳裏に焼き付き、そうして少年の意識はそこで一旦途切れた。


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15分。
最近悶々考えてる辺りを吐き出そうと思ったけどまた名前を出さずにどこまで行けるかアタック状態に。

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